2016年7月31日日曜日

進化の証言者・魚類と両生類の中間のような生き物がいる

「ポリプテルス」という不思議な魚を見たことがありますか。生きた化石とよばれ、いまから4億年前の「デボン紀」に誕生し、あまり姿を変えずに今日まで生き延びてきた「淡水魚類」です。主にザイール、スーダン、セネガルといった熱帯アフリカ地域に生息しています。ハイギョやシーラカンスに近い種類とも考えられていますが、その進化の位置づけはよくわかっていないようです。からだは魚類ですが、顔の部分を見るとカエルのような雰囲気があります。そして鰭(ひれ)には筋肉が発達してしていて、水中でも鰭でまるで歩くように移動します。つまり、このポリプテルスは、魚類から両生類へと進化する段階を明確に残した生き物と考えられているのです。浮袋は二つにわかれていて、鰓呼吸とともに、肺のような空気呼吸ができるからだとなっています。扁平な頭の上部に並んだくりくりの眼は、たしかに魚類の眼ではなく両生類を感じさせるものがあります。4億年前とは気が遠くなるような昔ですが、あの究極の巨大化をみせた大型魚「ダンクルオルテウス」が現われた時代です。そういう生き物が現代に姿を残し、命をつないでいるということだけでもまるで奇跡のようです。(玉川高島屋「生命40億年の旅」展示会で見ることができます)

画像:ウィキペディア「ポリプテルス」より引用





2016年7月6日水曜日

大陸の移動や宇宙の変動が「地球生物の進化」を促した!?

近年の地球史と生命進化の研究成果にはまったく驚かされることばかりです。地球の大陸が離合集散を繰り返してきたことは、だれもが知っている事実ですが、こうした古大陸が裂けることや、海を移動してまた陸地同志が衝突することが、実は生物の劇的な進化、あるいは多様化に本質的に大きな役割を担っているということが明らかになってきたのです。ました。東工大特命教授の丸山茂徳先生らが提唱している「進化の統一理論」と呼ばれている注目の学説です。この大陸大移動のほかに、実は大銀河の運動による「宇宙の変動」も地球の環境に強大な影響を及ぼしているといいます。この宇宙の変動理論を先に述べると、最近論議されている例の恐竜絶滅の問題があります。ご存知のように、これまで恐竜たちは巨大な隕石衝突で絶滅の道を歩んだとされてきました。しかし実は隕石衝突の前から少しづつ恐竜の種の絶滅がはじまっていることが最近明らかにされ、これは海底の堆積物の調査から、銀河系と暗黒星雲との衝突が背景にあったのではと議論が活発になされています。進化というものを宇宙スケールで考えるというこれまでにない発想です。そして大陸の変動理論では、もっと興味深い事実が指摘されています。大陸が裂けるような場所では、過去ある時期に、放射線元素を多く含む膨大な量のマグマが放出され、生物たちは被爆により、局所的に大量絶滅があったことがわかってきました。そしてこうしたことが引き金となり、「進化の加速」もそうした特異な地点で起こったのではというのが、統一理論の考えかたです。人類誕生の現場と考えられている、アフリカの大地溝帯ではこうした放射性マグマが大量に放出されたと考えられています、霊長類が飛躍的進化を遂げたタイミング、これはすなわち「脳の容積」が不連続に巨大化した時期ともいえるのですが、いまから180年前、70~80万年前、そして20年前の3回あることが知られています。この不連続線は3回存在します。地質学の調査から調べられた、マントルプルームの上昇で陸地が割れて爆発的な火活動があり地溝帯が大変動した時期とこの進化の3回の不連続ポイントがぴたりと符合するというのです。驚くべきことではないでしょうか。このことは、霊長類の不連続な大進化が、環境への膨大な量の放射線の放出による遺伝子の突然変異があるという説明を導きます。全球凍結など地球史の数々大イベントの全貌がが明らかになりつつありますが、地球の生き物たちはこうした壮大なスケールの変動を受け、たくましく進化を続けてきたのです。いまそうした進化の全貌が次第に明らかになってきました。