「ポリプテルス」という不思議な魚を見たことがありますか。生きた化石とよばれ、いまから4億年前の「デボン紀」に誕生し、あまり姿を変えずに今日まで生き延びてきた「淡水魚類」です。主にザイール、スーダン、セネガルといった熱帯アフリカ地域に生息しています。ハイギョやシーラカンスに近い種類とも考えられていますが、その進化の位置づけはよくわかっていないようです。からだは魚類ですが、顔の部分を見るとカエルのような雰囲気があります。そして鰭(ひれ)には筋肉が発達してしていて、水中でも鰭でまるで歩くように移動します。つまり、このポリプテルスは、魚類から両生類へと進化する段階を明確に残した生き物と考えられているのです。浮袋は二つにわかれていて、鰓呼吸とともに、肺のような空気呼吸ができるからだとなっています。扁平な頭の上部に並んだくりくりの眼は、たしかに魚類の眼ではなく両生類を感じさせるものがあります。4億年前とは気が遠くなるような昔ですが、あの究極の巨大化をみせた大型魚「ダンクルオルテウス」が現われた時代です。そういう生き物が現代に姿を残し、命をつないでいるということだけでもまるで奇跡のようです。(玉川高島屋「生命40億年の旅」展示会で見ることができます)
 |
画像:ウィキペディア「ポリプテルス」より引用 |
0 件のコメント:
コメントを投稿