2017年5月24日水曜日

想像を超える「超巨大噴火」があらゆる生物の命を奪った!



 2億5200万年前にあった史上最大の生物大量絶滅は、古生代が終わり、中生代の幕開けを知らせる地球史上のイベントとして記録されています(ペルム紀末大量絶滅 P/T境界)。このとき、生物の大量絶滅がなぜ起こったのか理由について様々な議論がなされていますが、確実にわかっているはこの時期、マントルオーバーターンの動きである「ホットプルーム」の活動が非常に活発になり、「超巨大噴火」が各地であったことです。ユーラシア大陸ではシベリア地域でこの大噴火の証拠を示す、玄武岩の広大な大地が見つかっています。玄武岩は、粘性の少ないマグマが固まってできたものです。
 その面積は、700万平方キロメートル、日本の国土をはるかにしのぐ大きさの「熔岩大地」です。こうした超巨大噴火の遺跡ともいえる、玄武岩の大地はインドのデカン高原、アメリカのコロンビア台地などが有名ですが、現在の海洋の海底で見られる「海台」と呼ばれる広大な海底台地も実は、この玄武岩台地と考えられています。「洪水玄武岩」という名前がついています。この人類が経験したことにない規模の火山活動では、火山ガスが大気に大量にまかれ微粒子が全地球に漂い、太陽光を遮って異常気象を引き起こしました。また硫酸の雨が降り、環境はさらに悪化し気温も長期にわたり、数十度も下がったと考えられています。植物が消え、海も酸素欠乏状態となり、あらゆる生物は存在できないようになったものと思われます。
 ここでいう「超巨大噴火」とは、数千万年から一憶年に一度あるという地球規模の噴火現象であり、私たちが知っているピナツボなどの噴火規模レベルではありません、もっともっと大規模な火山噴火が地球の歴史では繰り返し起こってきたのです。
 
<画像はシベリア洪水玄武岩  引用原文:Nature (2011-09-15) | doi: 10.1038/477285a >


   







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