海洋に進出する中国が、南シナ海での領有権争いの末、人工島などの建設でで岩礁の乱開発が進行していますが、環境破壊と生態系への取り返しのつかない破壊行為として憂慮する声が上がっています。米・マイアミ大学の海洋生物学者のジョン・マクナマス博士らはこのままいくと何百という生物種が短期間のうちに絶滅することになると、いま警告を発しています。
スプラトリー諸島での軍事施設(人工島)の建設だけでなく、中国漁師による大規模な密猟も生物に破滅的な影響を及ぼしているといいます。希少なサンゴやオオシャコガイの密猟です。オオシャコガイ漁は岩礁に深く身を沈めるように棲息している生物ですので、これを採取するには岩礁を掘り返しすことになります。つまり岩礁は大きく破壊されるのです。海の中では、岩礁は特別な生態系を生み出す場所で、小さな生物、藻類、また魚の稚魚などがここをは住処としています。こうした多彩な岩礁性動物がを失われると、やがて生態系システムのメカニズムで、これを餌としている大型魚も減少していくのです。
この巨大貝には大きく育つことが可能となる秘密があります。カラフルな貝の体には細胞内に数十億の藻類(褐虫藻)が共生しており、この藻類が光合成で生み出す糖やタンパク質を貝に供給してくれます。こうして労せずに、貝は大きく育つことが可能となったのです。別名「光を食べる貝」と呼ばれる訳はそこにあります。まことに不思議な生き物と言えるのではないでしょうか。もちろん他にプランクトンもロートで濾して食べます。こうして栄養の乏しい海域でも、何億年も彼らはたくましく生き延びてきました。いままた人間の身勝手な行動が、数億年にわたって命を紡いできた貴重な海の生物種にさえ手をかけて、彼らを絶滅に縁に追いやろうとしています。

0 件のコメント:
コメントを投稿