2016年12月21日水曜日

トナカイが・・キリンが・・急激に消えてゆく

悲しいことに地球上で、“絶滅危惧種”が増加しています。北極圏ではトナカイが痩せて餓死する個体が続出しています。イギリスやノルウェーの研究者たちからは、トナカイの体重が1994年から2010年の16年間でおよそ12%もの減少があったという報告がありました。その理由として、温暖化で気温が上昇、雪が雨に変わると草地が冬に氷で覆われることになり、餌が摂れなくなっているのではと想像しています。またフィンランドなどによる調査では、ロシアのある地域で約6万頭のトナカイが死んだと伝えています。個体数でみると27年間で40%も減少したと考えられ、国際自然保護連合は2016年のレッドリストで、ついにトナカイを「絶滅危惧種2類」に指定しました。それでなくても壊れやすい極地の自然、こうした生物の変動は次に生態系で何を引き起こすのか、よくわかっていません。
アフリカでも、この30年間で同じように個体数が40%減少したという生き物がいます。あのキリンです。こちらも今年、新たなレッドリストで絶滅危惧種となりました。現在のキリンは、推定で約10万頭かそれ以下となってしまったといいます。30年前には16万頭だったのです。トナカイと同じ絶滅の危険が増大している絶滅危惧種2類です。こちらは開発進むアフリカで、農地の拡大、鉱業開発などで生息地が破壊されたり、また密猟なども影響していると考えられています。大自然は残るアフリカでももう大型の生物は、息苦しくなったということでしょうか。
かつて日本列島に暮らしていたニホンオオカミやニホンカワウソなど、自然を開発していくことで失われてしまった生物種は、列島の大地によみがえることはありません。一度失われた遺伝子は自然で復活することはないのです。冷徹に見ると、悠久の地球の歴史で、生き物たちの絶滅は繰り返されてきました。いま問題なのは、この絶滅の速度が、何百倍も何千倍も速いスピードで急速に変化していることなのです。

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