わかっているようでわかっていないことはあります。例えば地球を覆う「雲」がその面積があまり変わらないことが知られていますが、そうしたことがどういうメカニズムなのか詳しくはわかっていませんでした。
20年ほど前に出されて学説があります。デンマークの宇宙物理学者のヘンリク・スベンスマルク博士が説いた雲の成因を宇宙に求める新説です。地球には宇宙空間から、常に「宇宙線」すなわち陽子などの高エネルギー粒子が降り注いでいますが、この宇宙線が大気圏の水蒸気(飽和水蒸気)に刺激を与えると、大気の小さなチリを核として水の微粒子が生まれ、それが雲の成因となるという説です。この説によると太陽の磁場がなんらかの理由で弱くなると、バリアー効果が弱くなり太陽系に注ぐ宇宙線の量が増え、結果として地球ではより多くの「雲」発生することとなるといいます。
過去をさかのぼってこうしたことが証明できるか、調べているようですが地球環境の温暖化、あるいは寒冷化は実は宇宙からやってくる宇宙線量に左右されているという証拠も集まっているようです。6500万年前のあの恐竜たちの大絶滅もこの宇宙線量の大規模な変動があったのではないか、宇宙の環境変化に原因をさぐる考え方も登場しています。たしかに考えてみると地球といっても銀河のなかで周囲の環境変動から独立しているわけではなくはずで、逆に宇宙の環境に大きな影響を受けて変化、進化してきたのは当然のことともいえるかもしれません。
宇宙の大規模な構造や、ダークマター、エネルギーの実態がもっとつまびらかになれば地球や生物のこれまでの進化、変貌は新たな解釈が進むのかもしれません。
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