2017年11月22日水曜日

ごっくん出来ないとあなたの命が奪われる!~嚥下障害に注目~

 がん、心疾患、脳卒中(脳こうそく、クモ膜下出血など)というのが長らく日本人の3大死因でしたが、近年脳卒中を抜いて「肺炎」が第3位となって(2011年)注目されています。肺炎の増加はいまも続いており、毎年11万人の日本人の命を奪っていると言わられいます。この背景にあるのは、後期高齢者の増加とそれに伴う「誤嚥性肺炎」患者の急増が疑われます。
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誤嚥性とは、本来喉から食道に行くべき食べ物や唾液が、誤って気道に入り込み、食べ物や唾液に含まれている菌(肺炎球菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌など)あるいはウイルスが肺に至り炎症を起こす病気です。なぜ誤嚥を起こすようになるのか、実は様々な要因があり未解明なところも多いのですが、呼吸器科、耳鼻咽喉科、歯科、リハビリ栄養学など関連する多様な専門家が強い危機意識をもって予防や治療への取り組みがはじまっています。そもそも飲み込むという動作は、想像以上に複雑で喉に空気が入ってくるときは気管は開いていますが、一旦固体や液体が入ってくると喉の筋肉や神経が連動して瞬時に気管の蓋(軟口蓋)が閉じられます。この動作は「嚥下反射」と呼ばれるものですが、加齢とともにこの反射は弱く、あるいは鈍くなり閉じるのが遅れるようになることがあります。誤嚥はこうしたことが原因で起こりますが、食事中にむせやすくなってきたなどは要注意といわれています。こうした「喉の虚弱化」が、命を奪う病気のはじまりとなるのです。誰にでもやがて訪れる「嚥下機能」の低下、いまあらためて目を向ける必要がありそうです。

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