
地球を水惑星と呼びますが、この太陽系に「水衛星」がおそらくいくつか?あることがわかってきました。例えばそれは木星の惑星で、月よりやや小さな天体「エウロパ」です。木星には、ガリレオが見つけたガリレオ惑星と呼ばれる惑星があります。イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストです。実際は木星には67個もの惑星があります。木星の第2衛星であるエウロパは、NASAの探査機でその姿がかなり詳しく撮影されています。その姿はどの他の衛星とも違うものでした。不思議なのは、クレーターらしきものが見当たらないことと、表面に土色の線がいっぱい走っていることです。これまでの研究者の議論からは、おそらく数キロに及ぶ氷=水の氷がその表面を覆っており、その下には広大な地下の「海」があるのではということになっています。また宇宙望遠鏡ハッブルの観測では、このエウロパが火山のように何かを噴き出す、間欠泉(プルーム)のような現象を起こしている様子が観察されています。ただしこの現象が本当に水が噴き出したものか、未だ論争があるようですが。エウロパが存在するところは、太陽から遠く離れ、とても温度が低い環境にあり、冷え切った衛星と考えられますが、巨大惑星である木星の引力の影響でエウロパには大きなな力が働くといいます。その力が氷の溝を作ったり、水噴射を引き起こしたりしていると考えられているのです。この間欠泉のような水噴射が本当だとすると、地下の海は、表面を覆う分厚い氷に完全に閉ざされているのではなく、水と凍りはある程度攪拌され、循環もしている可能性があります。さらに最近、湖のような場所も見つかりました。地球とは異なりますが、この太陽系で水が大量にある星があることがほぼ明らかになってきたのです。さてさてそうなると、水が存在し、衛星の内部から熱エネルギーも供給されるとなると、「生命」が存在してもおかしくないというのが宇宙生物学者の見解です。期待をこめた意見でしょうが。地下の海にはクラゲや魚が泳いでいるという想像もあります。NASAでは2020年代に、この水の噴出地域に接近し、物質を採取して生命の痕跡も探ろうという「エウロパ・クリッパー」計画がはじまっています。木星の衛星に生命の営みが見つかれば、はたしてどういうことになるのでしょうか。われわれはどこから来たのか、という問いがその時解かれるのでしょうか。 写真資料:NASA
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