2016年2月10日水曜日

ジカ熱対策で注目の「生物的防除法」

われらが仲間!コウモリさん頑張って!嫌われ者から救世主へ

中南米で「ジカウイルス」の感染者が急増し心配されています。もともとアフリカ、東南・南アジア、オセアニアなどで感染が確認されていましたが、中南米では感染例がなかったといいます。人々の国を越えての移動が盛んになっていることと、中南米の人々のウイルス耐性がなかったことがその要因としてあげられています。症状は軽いが、妊婦が感染すると新生児に障害が生まれる可能性が指摘されています。媒介するのはネッタイシマカやヒトスジシマカといわれています。日本にはネッタイシマカはいませんが、ヒトスジシマカは日本のどこでも棲息する蚊です。蚊の防除法としてにわかに注目を浴びているのが、「生物的防除」です。報道されているように「コウモリ」を使って蚊を退治する方法です。すでに夜のねぐら(バットボックス)を設置し、コウモリさんを地域に呼び寄せて、この蚊を退治してもらおうと試みている国もあるようです。体重が6kgの小型のコウモリ(ヒナコウモリ)でも、一日に食べる餌の量は3kgでおよそ体重の半分、これを蚊で換算すると500匹程度になると言うのです。つなり彼らをうまく使ってやると衛生害虫の駆除に役立つことが期待できます。しかも、コウモリたちが蚊を食べると体内でウイルスは分解されて無害化するともいわれています。現在ワクチンや抗ウイルス薬がないので、生物的防除への期待はさらに高まります。8月のリオデジャネイロオリンピックでは世界中の人々が集まりますが、さらに国際的なウイルス感染の広がりが危惧されています。日本でもこうした生物的防除を行っている衛生管理会社もあるようです。普段は嫌われ者のコウモリですが、地球上の仲間として名誉を回復し、地域にうまく生息してくれるように誘導すべき時がきたようです。地球の生き物はつながって生きているのです。

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