2015年11月10日火曜日

~恐竜は、本当に毎年「渡り」をしていたのか~

春に日本にやってきて秋になるとフィリッピンや東南アジアへと戻っていく、ツバメやカッコウなどの夏鳥。そして入れ替わって日本で冬を過ごすために、シベリアやアラスカから渡ってくるオオハクチョウやツグミなどの野鳥は冬鳥と呼ばれます。渡りの途中で日本列島に立ち寄るのシギ、チドリは
旅鳥と呼びます。こうした鳥の「渡り」は、とても長い距離を移動するもので優に1万kmを越えて移動するものもいます。まさに地球規模の移動を、毎年繰り返し往復しているのです。あたりまえのように思っている野鳥の渡りですが、繁殖地と越冬地を求めて移動していることは理解できても、それでは鳥類がいつごろ、どのような進化の過程でこのような行動をとるようになったのかなど本当のところは実はよくわかっていません。大陸移動がこの現象の遠因ではないかと考える説があります。大陸移動で生息地の緯度が大きく変わっていくなかで、昔の故郷である生息地に季節的に戻る習性が生まれたのだという考え方です。しかしこの説には大陸移動があった地質年代と鳥類の発展時期にはズレがあり、つじつまが合わないという否定的する意見もあります。そこで、いまは鳥類が大発展するする以前に繁栄していた恐竜の仲間たちがこの「渡り」をはじめたという考え方が誕生しました。恐竜が現在の鳥類と同様に、繁殖地と越冬地を求めて大陸を北から南へと毎年長距離を移動していたという説です。実際、北米ではそれを裏付けるように、同じ恐竜が北と南で見つかったりしています。こうした恐竜が獲得した生物の習性を、鳥類が自然に引き継いでいると考えれば、大陸移動など持ち出さずに説明ができそうです。大型の恐竜が大挙して渡りを行っている景色は、はたしてどんなに壮大なものだったでしょうか。地響きがしそうな映像が浮かびます。

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