~まもなく人類は、オキアミやミドリムシを食べる時代に~
2015年の世界人口白書によると、世界の人口は72億7552万人と報告されています。100億人となるのもそう遠くはないというのが現実です。これらの人々がみな水とともに食糧を必要とするわけですから、今後の食糧生産がはたして追いついていくのかと心配になってきます。いやこれはすでに途上国では現実となっていて、毎年350万人から500万人のこどもたち(5歳以下)が栄養失調で感染症などに罹り亡くなっているのです。1日にすると1万4000人、5秒に1人が亡くなっていることになります(国境なき医師団などのリポート)。先進国であっても世界の穀物や肉の生産、あるいは加工食品の生産と保存をよほどうまくやっていかないと、来るべき社会では経済力の差で、食べることのできる富裕層と飢える中流下流層という社会のかたちが生まれていくのではないでしょうか。不足するタンパク源として、「昆虫食」をまじめに検討しなければならないという意見もあります。この昆虫食を強く推奨しているのは国連食糧農業機関(FAO)という権威ある国際機関です。昆虫はタンパク含有量が高く、鉄やマグネシウム、リンなどの微量栄養素が豊富、そしてなにより安価で飼育が簡単という利点があるというのです。メディアにも時々登場する「ミドリムシ」も食糧危機を救う救世主といわれてきました。クロレラと同じ藻類であるながら、動物の性質も合わせ持つこの微生物は「ヒトが生きていく上で必要な栄養素をすべて賄える生きもの」というすばらしいキャッチフレーズがついています。魚介類では、深海魚などは有力な新規食糧資源として注目されており、新たな漁獲のターゲットとなっていくものと思われます。海洋資源でもっと注目されいるのは、あのシロナガスクジラが大きく口を開けて豪快に食しているプランクトン「オキアミ」です。栄養豊富であり、将来の人類の食糧資源として食品化の研究が進んでます。オキアミは資源量としてまだ余裕があるということかと思いますが、クジラとヒトが同じエサを奪い合うようになるとは誰が予想したことでしょうか。
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