2015年11月7日土曜日

~「ハヤブサ」は「スズメ」の近縁種だった!~

生物における「種」という分類の単位は、時として議論を呼ぶ実はとてもやっかいな概念です。一般に、交雑ができるかどうかが同種か別種かのちがい、と考えている人は多いと思いますがそう単純ではないといいます。例えば雌だけで卵を産む(単為生殖)ヤモリなどは、交配がないので同種かどうかの分類はできません。これまでは「形態学的種概念」にともづく分類が行われてきました。しかしこれでは、生物の外見だけを見ているので時として誤ってしまうことがあります。宇宙探査機の名前にもなった「ハヤブサ」ですが、有能な狩りの技術を持つ猛禽類として知られていて、これまで「タカ」の仲間と皆が信じてきました。この分類は誰も疑う余地がなかったのですが、最近DNAを使った系統樹作成の研究(分子分類法)が進み、あっと驚く事実が判明してきたのです。分子レベルでハヤブサを調べて分類を行うと、タカの仲間ではなくスズメやオウムと近縁であることがわかったのです。同じように「サギ」はコウノトリに近い仲間とされてきましたが、実はペリカンに近いということもわかりました。ハヤブサがスズメの親戚だったとは、みごとにだまされたというか、にっこり微笑んでしまうようなお話です。現在ではDNAによる分類方法が主流となっているということですが、「種」とは、どこかで割り切って分類することをしないと割り切れない要素を多く含んでいるようです。ちなみに現在の地球上のヒトは一種類ですべて「アフリカ人」の子孫です。白人も黒人も黄色人もすべて人類はアフリカ大陸で誕生した、ただひとつの人類種を先祖に持つ同じ種の仲間なのです。参照:川上和人著「鳥類学者 無謀にも恐竜を語る」



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