~海の霊長類を知っていますか?タコには高度な知性がある~
単細胞のアメーバ状生物である「粘菌」は、脳はもちろん神経系さえもたない生き物ですが、時間を記憶する能力をもち、迷路を与えると最短ルートで移動するといいます。庭先にどこにでもいる「ダンゴムシ」には、水で囲ったり、行き止まりを作ったりするとそこから脱出する不思議な行動を起こします。こうした知性と似た不思議な現象を見つめる学者のなかには、単細胞や昆虫であっても知的活動や意識、あるいは心さえあるのではないかと真剣に議論を行っている人がいます。かつて生物学者ライアル・ワトソンが著書「生命潮流」で、霊長類は人間だけでなく海にもいる、それはイカやタコといった頭足類であり、そうした仲間は高度の知能を有している「海の霊長類」だと語りました。タコの知能はどれほどのものか、興味深い実験があります。タコをふたつの水槽で一匹ずつ入れ、両方の水槽に蓋をまわして開けないと決して餌が摂れない容器をセットし飼育します。片方のタコは実はこの容器の開けかたを知っているのですが、やがてこの容器の開け方をじっと観察した隣のタコは、すぐそれを学びすぐ容器を開けられるようになるといいます。他者の動作の観察と学習、模倣といった高度な動作です。脊椎動物ではヒトが知能がもっとも進んでいるかもしれませんが、無脊椎動物ではおそらく頭足類がその知能が最も進化していると考えれています。もしかしてあと数十億年したら、彼らがさらに進化し知能で地球を征服しているかもしれないのです。こうして考えると生命現象には、もともと意識や心の種というべき「知的なもの」があり、決して人間だけが地球上の知性生物ではないことを教えられます。
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