~恐竜=鳥類「指論争150年」に終止符を打った日本の発生学研究~
鳥類が恐竜から進化したという学説で唯一残っていた「矛盾点」をずばりと解決したのは日本人でした。「指論争」と呼ばれる150年来の論争を、科学的実験で真実を解き明かしたのは東北大学理学部の田村宏治教授です。これまでの発生学では、観察から鳥類の前足は第2-3-4指であるのに対して、恐竜は前足が第1-2-3指であることが鳥類恐竜起源説の最大の矛盾点として語られてきました。田村さんたちはニワトリの翼の指の出来方をあらためて遺伝子などでくわしく分析すると、これまで翼の指は、第2-3-4指と思われていたのは、実は第1-2-3指の間違いであることを明らかにしました。指の発生の途中で第4指の発生ゾーンから指ひとつがずれるという現象があり、これが従来の説を誤らせていたというのです。いずれにしてもこれで鳥類は恐竜から分かれて進化したしたことが確定的になりました。恐竜、始祖鳥、鳥類がこれですっきりつながりました。2011年の科学雑誌サイエンスに投稿され世界の話題となりました。現代の生物学の研究室から、数億年前の生物のストーリーが解かれるというロマンあふれるお話です。鳥類よ、お前たちの正体はやはり恐竜の生き残りなのだな!科学の眼はお見通しですよ・・といったところでしょうか。今後、進化生物学などが急速に進歩して、これからもびっくりするような研究成果が生まれてきそうです。
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