2015年11月16日月曜日

~イソフラボンお前もか!腸内細菌の完全支配下にある栄養素~

大豆に含まれる栄養素としてよく知られている「イソフラボン(大豆イソフラボン)」は、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きがあることや抗酸化作用もあり、更年期障害、骨や血管、脳にも若返りの作用が期待できるものとして様々な改善効果の夢が大きく膨らんでいます。特に女性の健康(乳がんや骨粗しょう症など)との関連が議論されていてきたので特に女性にとっては解明が待たれるところです。昔の京都のお公家さんのお肌がすべすべであったのは、大豆製品の「湯葉」を日常食としてきたからという説もあるくらいです。お肌の若返りにイソフラボンが効果的となれば、女性も男性も興味を持つのは当然でしょう。最近の研究で、実は意外な事実がわかってきました。イソフラボンが体内でどのように作用しているかが、少しずつ解明されてきたのです。イソフラボン(の中でダイゼインという種類)は、腸内細菌により代謝されて「エクオール」という物質に変化します。このエクオールが「エストロゲン受容体」にぴったりはまり込むことで、すべての機能が発揮されるということが明らかになったのです。しかもこの働きを持つ腸内細菌(乳酸菌ラクトコッカスの仲間)は日本人では2人に1人しか持っていないことも判明し、欧米人では3人に1人だというのです。この論ではイソフラボンを摂取してもその恩恵にあずかる日本人は半分、50%ということになります。あの話題の中心、「腸内フローラ」がここでも私たちの健康を完全に支配コントロールしているようなのです。今後は、エクオールを産生する腸内細菌入りのヨーグルトなどが発売されるのでしょうか。栄養素と体の代謝系の関係が、一筋縄でではいかないことを教えてくれるいい例のようです。




3 件のコメント:

  1. この分野で一番進んでいる大塚製薬さんは、エコール生産乳酸菌を持っていますが、製品はプロバイオティクスではなく、バイオジェニクスで出してきました。いろいろ事情がありそうですが、興味深いですね。
    http://www.otsuka.co.jp/eql/products/index.html

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    1. 製品がすでに販売されているとのご指摘ありがとううございます。レスベラトロールもそうですが、少々勇み足のような気がする商品かと思いますが、日本の健康食品の大胆なな開発力と科学的な進化を感じます。

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  2. 大塚さんの製品は、むしろよく考えて開発されていると思います。プロバイオ+大豆より、エクオールを直接摂った方が効果は安定します。さらにケミカルよりは発酵物にした方がナチュラルで魅力的です。食品安全委員会がイソフラボン上限を設定したために、大豆のベネフィットが出しにくくなっている中、天然風のエクオールをフローラや乳酸菌に関するファクトを絡めて製品開発してきたことは興味深いアプローチにだと思えます。

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