2015年12月1日火曜日

~「骨」を育てるには、重力を感じ地面を強く踏みしめよう!~

もし骨を丈夫にしたいなら、水泳のような重力をあまり感じない水平方向の運動ではなく、地面を強く踏みしめたり、ジャンプしたりするような垂直方向の運動が適しているといわれています。ロケットで飛び出した宇宙飛行士が、長く無重量の宇宙空間で過ごすと、次第に骨や筋肉が痩せてきて細くなっていくことが知られています。これは、いかに地上での生活が重力を体で感じて暮らしていているのか、また重力が体作りの上で大切な役目をもっているかを示しています。骨では、垂直方向の力が加わると、「骨細胞」を取り囲んでいる細胞液に流れが生まれます。そうすると「骨細胞」は流れを感じて、骨を作る「骨芽細胞」に新たな骨を作るように指令を出していることなどがわかってきました。ウォーキングやバレーボールのような運動、また階段の上り下りもそういう理由で骨作りに有効です。筋肉や骨には、「メカノセンサー(重力センサー)」と呼ばれるまるでロボット工学のような、重力を感じる細胞があると考えられています。骨細胞もそうしたセンサーといえるでしょう。骨や筋肉にいかに重力を感じさせるかが、骨や筋肉強化のポイントだったのです。片足立ちを日々行うと、足への重力負担が運動時に大きくなります。足の骨が強化され、またバランス感覚も磨かれるため、転倒予防につながるといったデータもあります。運動や生活活動を行うとき、地面を強く踏みしめるという「骨への刺激」をキーワードで考える習慣をつけると、ちょとしたことで骨強化の運動になるかもしれません。骨や筋肉もそうですが、いくら栄養をきちっと摂っても、適切な刺激がないかぎり決して望むような丈夫で強い組織にはならないのです。これは生き物の宿命とでもいうのでしょうか、本来生物の体はそういうメカニズムで成り立っているのです。


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