2015年10月13日火曜日

~「フレイル」という新語・・・高齢者は不可逆的に老いていくのではない~

老年医学の分野から提言されている「フレイル」とは、高齢期に生理的予備能が低下していくことでストレスに対する脆弱性が亢進し、機能障害や要介護状態などの転機に陥りやすい状態とされています。介護保険で考えると、要支援プラス二次予防事業対象者に該当すると言われています。
なぜこうした概念が生まれてきたのかについては、これまで使われてきた「虚弱」、「老衰」、「脆弱」といった言葉だけでは、まことにネガティブな印象だけであり、加齢に伴うこうした高齢者の状態を正しくとらえておらず、なにより高齢期の多面的な要素や変化が表現できないからとされています。つまり上記のような脆弱になりつつある高齢者について分析・研究が進むことで、いまでは高齢者には①身体的なフレのイル②精神心理的なフレイル③社会的なフレイルの大きくは3つの要素、変化が存在するとわかってきたのです。そしてさらに科学的に証明されてきたのですが、この3つとも「適切な処置」を行う(介入)ことにより、生活機能・能力の維持向上を図ることが大いに期待できるというのです。これは高齢者にとってまことにうれしい事実といえるでしょう。不可逆的にただ老いていくという考え方はいまでは考えなおされているのです。いまこのフレイルという言葉は高齢者ケアや健康長寿の実現をめざす人々にとってホットな話題となり、多くの専門家による議論や研究の輪がひろがりつつあります。3つの要素についてはこの後少しづつ考えていきたいと思います。



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