~鳥類は爬虫類だった?という現代生物学の到達点~
地球上で2億年近くの長期にわたり大繁栄し、あるとき突然絶滅したことになっている「恐竜」。しかし今では、恐竜は絶滅したわけではなくひとつの系統が生き延びていると結論づけられています。
その生き延びた生き物、それは「鳥類」なのです。鳥類は「最も進化した恐竜で、爬虫類である」と現代生物学では考えられています。スズメやムクドリなど街に住む野鳥を見ている限り、恐竜の子孫というのは信じがたいのですが、動かない鳥として有名になった「ハシビロコウ」などの大型鳥のにらみつける形相を見ていると、時々なるほどと恐竜を彷彿させるものがあるように感じます。恐竜の種としての2大潮流、鳥盤類と竜盤類のうち竜盤類の系統から「気嚢(きのう)システム」という、低酸素でも効率よくガス交換できる体組織を獲得するものが現われました。気嚢システムは、地球史において酸素が薄かった時代に、恐竜たちに有利に働いたと考えられています。このしくみは一方で恐竜の大型化そして他方では軽量化をもたらしたといいます。またすでに多くに羽毛が生えていたこともわかっていますが、竜盤類のうちの「獣脚類」の一部が、6550万年前の大絶滅を生き延び、現在の鳥になったというはいまや定説となっているのです。こうして鳥たちは恐竜から気嚢システムを受け継ぎました。ヒトだと呼吸さえできなくなる高度である、ヒマラヤの山脈上空を軽々越えて飛ぶ鳥類(アネハヅル)は、このシステムがあるからこそそうしたことが可能となっているのです。新しい生物学の教科書には、これから鳥類をどう呼びどう位置づけていくのでしょうか。
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