2015年10月18日日曜日

~社会的脆弱性指標・・・あなたは他者から敬意を持って扱われているか~

「フレイル」という新たな概念が身体的、精神的、社会的の3つの要因から成り立つとする考え方は、実はWHO(世界保健機関)がすでに「健康の定義」として宣言したものにきわめて酷似しています。WHOの健康の定義では、健康とは「病気でないとか弱っていないというだけではなく、肉体的にも精神的にもそして社会的にもすべてが満たされや状態にあること」とされています。社会的に満たされていること、つまり「social well-being」とは、周りに支援してくれる家族、友人がいて、他者との密接な関係と同時に他者への信頼があり、他者から公平に敬意を持って扱われていること、総じて信頼と帰属意識がある状態をいうとのことです。いま社会的な虚弱が、本当に寝たきりや死亡率を高めるのかが研究者の大きな関心事となっています。そこで「社会的脆弱性指標」というのが提案されていています。この社会的脆弱性指標とは、支援の有無、友人、親戚、近所づきあい、電話の使用、老司クラブ、スポーツクラブの活動、経済状況、配偶状況、読み書きなど40項目が挙げられています。カナダでのあるコホート研究(アンドリューら)では、社会的脆弱性指標が高いほど死亡率が高いことが示されたといいます。日本では、介護保険のための「基本チエックリスト」がこの社会的脆弱性指標のひとつになるのではないかといま再評価されています。このリストでは、外出の頻度、買い物、貯金の出し入れ、友人訪問、家族との相談などが項目で挙げられているのです。いづれにしても社会とのつながりがあってこそ、人は人らしく生きられるいうことでしょうか。






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