~医学・健康分野ではいま、「筋肉」に注目があつまっています~
加齢とともに骨格筋などの筋肉量が減り、筋力も低下することが知られています。生活活動が減り、寝たきりやひきこもりとなる原因となります。医学用語では「サルコペニア」といわれています。
そこでこれまでは、適切な運動による筋肉の維持強化が大切と強調されてきました。筋肉は70代、80代になっても鍛錬で強化できることがわかっているからです。筋肉が増えると関節や脊柱の働きを正常化し、基礎代謝も上がり生活習慣病の予防改善効果があるなど、健康増進にはすべてプラスの方向で働きます。しかし筋肉づくりには適切な栄養摂取が必須であることが、これまですこし軽視される傾向にありました。リハビリテーションの分野でも同じことが言え、ようやくリハビリテーション栄養学なる学問が確立されるようになったのは最近のことです。筋肉強化の栄養素としては、タンパク質とビタミンDなどですが、タンパク質を構成するアミノ酸のうち、どういうアミノ酸のバランスが筋肉への吸収を促すかなども解明されてきました。またビタミンDの摂取量は日本人では意外と低くなってきているという指摘もあります。そしてあまり語られないのですが、同じように肉や魚を食していても、高齢者では腸からの吸収率が低下しているので若いときと同じような摂取ができないという悲しい事実もあります。栄養をしっかり管理して運動をおこなわないと逆効果ということが起こりかねません。医学の分野では「筋肉」は、特殊な病気しか存在しないという事情もあり、研究が遅れ「未開の地」とも呼ばれてきました。今年の夏、この「筋肉の諸問題」に正面から向き合う「日本筋学会」が誕生しました。今後の研究に期待が集まっています。
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