2015年10月21日水曜日

~生き残っていた?九州のツキノワグ~ いまこそ発言せよ保全生態学者たち!

九州の福岡、佐賀県境でクマが目撃されたというニュースが流れています。すでのツキノワグマは九州では絶滅したと宣言(平成24年)されていることや、脊振山という森はクマが生息するのは狭すぎると考えれていますが、どこかで生き残った系統か、あるいは本州から泳いで渡ってきたのではないか、などさまざまな議論がなされています。しかしメディアにあまりにも見識がないのも気になります。大方のメディアは野生生物の存在の意義をまったく理解していません。もちろん人に危害をおよぼす可能性もあるので注意は必要ですが、もしツキノワグマだとすると、この開発が進む日本国内の森林でよくぞ生きのびてくれたと、野生の命に賛美を送りたい気持ちです。あまり意識されることはないのですが、先進工業国で野生のサルが広く地域に生息している国は世界にはわが国以外存在しません。それだけ水と緑にめぐまれた土地ということです。しかし国民の野生生物に対する理解がこんなに不足している社会もないように思います。生態系でクマやサルが生きていけるということの素晴らしさをもっともっと理解しなくてはなりません。クマには「プレデター(捕食者)」としての重要な存在意味があります。シカとオオカミのように、プレデターであるオオカミがいなくなるとシカは生態系で異常繁殖したり歯止めが効かなくなります。クマにも自然で大きなや役割があたえれrているはずです。保全生物学や生態学の研究からすでに多くの捕食のメカニズムが明らかにされてきました。なんといとおしい命、日本のツキノワグマたち。日本の農学者や保全生態学者はこうしたタイミングでこそ、野生生物と生態系の意味を市民にもっと強く説いてほしい。メディアへの発言は、クマが単に危険生物だというような、短絡的で無知な発言はやめてほしいと願うばかりです。




0 件のコメント:

コメントを投稿